原木の刈り取りを行います。原料には楮、三椏、雁皮とがあります。楮・三椏は12月から2月にかけて刈り取ります。雁皮は3月末から11月の間に生剥ぎをします。
刈り取った原料を蒸します。せいろという杉材の箱に原木を入れ、二時間ほど蒸します。 蒸すことによって、木芯と原料となる表皮が剥がれやすくなります。
蒸した原木の皮を削ぎます。 皮の方だけが、和紙の原料になります。石州では原料の先が筒状になる筒剥ぎの方法を行います。
半日以上水に浸けた黒皮をそぞり台の上にのせ、包丁で一本一本丁寧に表面にある黒い部分をそぞります。石州は楮は表皮と白皮の間にあるあま皮部分を残す方法をとります。
そぞった白皮を清水で水洗し、煮釜に水を入れ、水量に対して12%のソーダ灰を入れ、沸騰後に原料をほぐしながら2時間ほど煮、そして蒸らします。
煮て柔らかくなった原料を清水の中で一本一本付着している塵などを丁寧に取り除きます。
硬い木盤の上に原料をのせ、樫の棒で入念に叩き繊維を砕きます。石州では「六通六返し」の方法で左右六往復し、上下に六回返します。通常はビーターという叩解機を用います。
漉き舟に水と紙料とトロロアオイを入れ、混ぜ棒により均等に分散させ、数子・調子・捨水の三段階の工程で紙漉きを行います。
・石州和紙は、数子(かずし)・調子(ちょうし)・捨水(すてみず)の三段階が基本である。
・数子(かずし)とは素早く漉き舟の紙料をすくい上げ、簀全体に和紙の表面を形づける。
・調子(ちょうし)とは紙料を比較的深くすくい上げ、前後に調子をとりながら、繊維をからみ合わせ和紙の層をつくる。回数によって厚さが異なる。
・捨水(すてみず)とは目的の厚さになれば、簀の上に残った余分な水や紙料を一気にふるい捨てる。
漉きあげられた紙床は圧搾機により徐々に絞られ、絞られた紙床を一枚一枚剥がし、銀杏の干板に貼りつける。
貼り終えた干し板を天日により乾燥する。日時が経つにつれて和紙に張りが出て、腰のある美しい和紙に仕上がります。乾燥方法は蒸気で鉄板を熱くし乾燥する鉄板乾燥の方法もあります。